聴覚障害のある選手が競う世界最高峰の国際スポーツ大会「デフリンピック」が、本年11月に国内で初めて東京で開催されることも踏まえ、そのレガシーとなるような環境整備を都議会にて進めてまいりました。この度各会派共同提案として、本条例が制定されましたことは、ダイバーシティーを推進する東京都において、大きな一歩となります。
今後はこの条例の主旨、目的を広く都民の皆様と共有し、推進してまいります。
【条例の主旨】
全ての人々にとって、障害の有無、年齢等にかかわらず、必要とする情報を容易に入手し、その情報を活用し、滞りなく意思を伝え合うことは、日常生活や社会生活を営む上で必要不可欠であり、尊重されるべき権利であります。
東京都は、平成30年に東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例を制定し、障害者に配慮した方法による情報の提供や、意思疎通を仲介する者の養成など情報・保障の推進を図ってまいりました。また令和4年に東京都手話言語条例を制定し、手話を言語として位置付け、手話の普及や手話を使用しやすい環境の整備に取り組んできました。
一方で、情報通信技術が発展する今日においても、障害の種類や程度に応じた意思疎通等に係る手段が十分でないことや、手段があっても社会における理解や配慮が不十分であるために、情報の取得や利用、意思疎通の場面で障害者が困難を感じることが依然としてあります。そのために、都民一人一人が障害の種類や程度に応じた意思疎通等の重要性について関心と理解を深めるとともに、東京都をはじめ都民、事業者、区市町村が連携して、先端的な技術をはじめとする情報通信技術の活用も含め、多様な意思疎通等に係る手段について利用しやすい環境づくりを進めていかなければなりません。
東京を訪れる全ての人々が、障害の有無によって分け隔てられることなく、互いに意思を伝え合い、理解し、尊重し合いながら安心して生活することができる共生社会の実現を目指し、この条例を制定します。
本条例は、令和7年7月1日から施行されます。幅広く都民の皆様と共有し、誰もが住みやすい、活躍しやすい東京を進めてまいります。