東京都は正社員を目指す方々をサポートします。

社会人として働いている方々の中には、フリーターや契約社員といった非正規労働者の方も少なくありません。様々な理由から非正規労働者として働いている方々において、長期間のコロナ禍により職を失い、困窮されている方が増えております。

企業における非正規労働者の増加は、複合的な要因によります。その中で、バブル崩壊後の人件費削減を目的とした増加が一番の要因ですが、その他では、社会やビジネス環境の変化により子育てや介護などの家庭事情や、家計の補助を目的とした労働者の増加など様々な背景があります。

厚労省によると2023年度の非正規労働者数は約2,100万人にのぼり、労働者全体の37%を占め、その7割近くが女性です。全就業者に占める非正規労働者の割合を年齢別で見ると、65歳以上が最も多く76.4%、次に多いのが15~24歳です。非正規労働者数で見ると、男性は65歳以上の206万人最も多く、女性は45~54歳の373万人が最も多いという結果になっています。

その理由として、男性は定年退職後に非正規雇用で就業し、女性の場合は子育て中あるいは子育て後に「自分の都合のいい時間で働きたい」「家計や学費を得たい」ということが挙がっております。また、非正規労働者のうち、フリーター(15~34歳のパート、アルバイト)といわれる若年層は132万人で、男女別では男性が61万人、女性は71万人となり、非正規労働者の中でフリーターの占める割合は6.28%となります。

こうした実態において、正社員になれず、不本意ながら非正規で働いている人は約200万人と言われています。国はバブル崩壊後の就職氷河期世代に対し、非正規労働者の正社員化など待遇改善に取り組んだ企業への助成金を支給しています。また東京都においても、東京しごと財団と連携して、正社員として新たに採用した企業への助成金を支給しておりますが、なかなか改善に至りません。

今日、非正規労働者の正社員化への支援は、雇用の安定化に繋がる喫緊の課題であり、その要は「学び直し」の支援です。国は昨年より、週20時間以上働く雇用保険加入者を対象に、国が指定する教育訓練の受講料の補助率を70%から80%に引き上げましたが、実施率は正社員が71%に対し、非正規では28%と、短期間で離職する可能性のある非正規労働者に向けた取り組みは進んでいません。

都においても、これまで就職氷河期世代の労働者を最初から正社員として雇用した事業者を対象に助成金を支給しておりましたが、令和5年度から非正規社員として雇用後、6か月未満で正規転換した事業主を対象とし、一事業所3回を限度として、上限額は一事業所90万円に支援を拡充しました。しかし現在、雇用保険加入者以外の個人向けの支援も求められており、個人に寄り添い、就活への自主性を促し、学び直しを含め、東京しごと財団と連携して、個人向け就活相談に取り組んでおります。

こうした状況から厚労省は、2024年度から非正規労働者が学びやすい環境を整備するため、これまでハローワークで平日昼間に行われていた就労訓練が中心であったものを、平日夜間や休日にもオンラインで学べるように改善しました。

引き続き、正社員を目指す方々をしっかりとサポートできる体制を整えてまいります。

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