安倍晋三元総理の国葬(国葬儀)が9月27日に行われました。会場となった日本武道館に国内外から4200人もの方々が参列し、このうち海外からは、国際機関を含む210超の代表団から700人が出席しました。
また、国葬会場の近くに設けられた一般用の献花台にも多くの人が弔問に訪れました。
改めて、安倍晋三元総理のご冥福をお祈り申し上げます。
当日は安倍元総理のように爽やかな秋晴れが広がり、多くの方々が傑出したリーダーを失った悲しみを抱きながら、その早すぎる突然の死を悼まれました。
安倍元総理が凶弾に倒れ、早80日も過ぎようとしている中で、特にロシアによるウクライナへの侵略行為の深刻さが増す国際情勢において、その喪失感は、日を追うごとに大きくなるばかりであります。
安倍晋三元総理が残されたご功績は、国内外の多くの方々から、大変評価されているところでありますが、この度の国葬に際し、改めてそのご遺志を継いでいく覚悟を持たせていただきました。
昨日の国葬において、友人代表として菅義偉前総理が追悼の辞を述べられました。その言葉の最後に、山県有朋が盟友であった伊藤博文を偲んで詠まれた句を引用されました。その句に込められた覚悟こそ、今私たちに求められているものであると思います。
岸田総理には、是非、豊かで美しい国・日本を守るためにも、参議院選挙で得た安定した国政運営において、憲法改正、安全保障の充実、少子化対策など重要な日本の課題に対し、果断に取り組み、結果を残していただきたいと思います。
そのためにも、国民の理解と協力が不可欠である民主主義の原点に立ち返り、この度の国葬にあたり生じた意見の分断に対し、旧統一教会への対応を含め丁寧な和解への試みが必要だと思います。
悲しみに堪えるご遺族や、真心から死を悼む方々がお集りのご葬儀会場の側で、自由を履き違え騒がれる方々は言語道断でありますが、憲法で保障される「思想・良心の自由」を全て担保することは不可能ながら、民主主義の前提となる自由と権利に最大限配慮する姿勢は大切です。
多大なるご功績を残された指導者を讃える行事が、マスコミによる影響も大きいとは思いますが、結果として社会の分断を招くものとなってしまったことは、残念でなりません。
現在世界で国家の分断をもたらす民主主義の根源的な危機が叫ばれる中で、これまで、万世一系の天皇陛下を統合の中心にいただき、紆余曲折がありながあらも民主的な政治を構築してきた日本が、今こそ、世界の模範となる多極共存の民主主義国家を築いていくことが求められています。
論語の中で、政治を行う上で最も重要な要素は、「民信なくば立たず」に示される“信頼”であるとされております。内憂外患の世界の状況において、直面している国難を乗り越えていくためにも、国民の信を得る政治を取り戻していただきたいと思います。