本日政府は、「佐渡島の金山」を世界文化遺産候補として、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)に推薦書を提出しました。

本日政府は、「佐渡島の金山」を世界文化遺産候補として、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)に推薦書を提出しました。

この推薦申請は、新潟県や佐渡市などが20年以上も専門家や地元との議論を重ねて、佐渡独自の価値を明確にし、後世に佐渡の歴史を伝えていくために取り組んできた活動で、世界遺産への登録に向けたスタートとなるものです。

国内においては、昨年末、文化審議会が佐渡金山の推薦を答申しておりましたが、例のごとく歴史問題に反発する韓国へ、過度に配慮する事なかれ主義の外務省主導による迷走で、無用な論争を生じさせてしまい、推薦書提出期限である本日(2月1日)にずれ込んでしまいました。

そもそも佐渡金山の登録申請は、16~19世紀に世界の鉱山において機械化が進む中で、手工業による独自の生産システムを発展させ、17世紀には世界最大の金の生産地となった当時の生産跡や集落跡が良好な状態で残されているということから提出されたものであり、世界的に見ても大変貴重な文化遺産と言えるものであります。そうした中での韓国の「戦時中の朝鮮人の強制労働の被害現場」であるという主張は、事実として根拠のないものであり、今回の申請内容の時代は、戦時中ではなく批判にあたるものではありません。

私はこの度、今後の論戦を覚悟の上で、岸田首相が決断されたことは、国家として、真剣に歴史に向き合う姿勢を鮮明にされたものと受け止めております。

岸田首相はかつて、「明治日本の産業革命遺産」全23施設の世界遺産登録に向けての尹炳世(韓国元外相)との外相会議において、その合意された内容を委員会の当日に突然反故にされた経験があり、国と国との約束を平気で破る韓国に対しては、正論で押すことの必要性を感じていらっしゃると思います。

これまでも韓国は、愛国無罪の世論の中で、日本を叩くことで、政治的支持率を上げてきました。特に現在、国内の労働環境が悪化し、仕事に就けない国民が増加し、また北朝鮮に対する宥和政策(南北統一)も行き詰まり、支持率が低迷している文在寅政権において、政権維持に向け、半日カードを使わざるを得ず、今後もなりふり構わない歴史戦を仕掛けてくることは必至であります。

佐渡金山の登録は、申請すれば終わりではなく、今後はユネスコの諮問機関であるイコモスが、来年4月頃までに現地調査と書類審査を行い、来年6月頃に開かれる21ヶ国による世界遺産委員会で審議され正式に世界遺産への登録が決定されます。来年以降その委員会の委員に韓国が選ばれる可能性もあり、これからが正念場です。

かつて「明治日本の産業革命遺産」全23施設における世界遺産登録では、後日委員会において、朝鮮人強制労働に対する説明が十分でないとした「強い遺憾」を盛り込んだ決議が、その当時の議長国であった中国の主導で採択されました。この採択に対する報告書の期限も来年となっており、報告書を受けた審議が委員会で行われることとなっております。

これまで歴史問題は、中国、韓国のプレゼンが上回っており、1996年2月の国連人権委員会において、慰安婦を「性奴隷」としたクマラスワミ報告書が提出されました。この時日本政府は、報告書は「極めて不当」「歴史の歪曲に等しい」等と厳しく批判した全42ページにも及ぶ反論文書を作成し、人権委員会に提出しましたが、直ぐに「反論することがかえって慰安婦問題の議論を蒸し返しかねない」と断念し、撤回してしまいました。

過去に行われた河野談話や村山談話など、過度に中国や韓国に配慮したその場凌ぎの外交は、国家の誇りを大きく傷つける結果となりました。

こうしたことから私は、今回の申請書の提出が、これまでの失敗を繰り返すことなく、今後の国を挙げた戦略的な取り組みに繋がることを期待しております。

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