東京港は、世界の主要港とコンテナ定期航路のネットワークによって結ばれている(外航コンテナ主要航路には、1ヶ月に合計392配船)国際貿易港として、また国内各方面とを結ぶ国内拠点港として首都圏4000万人の生活と産業を支えております。
東京港で取り扱った貨物量は、2019年度外貿貨物(4849)万トン(全体の57%)、内貿貨物(3931)万トン(同43%) 合計(8780)万トン。外貿コンテナ貨物の輸出入比率は、約3対7で、輸入超過となっています。
近年アジア経済の発展により、東アジア主要港との競争が激しくなり、コンテナ船の大型化や施設能力を超える貨物の集中により、施設能力を拡充する必要に迫られております。
また、東京周辺エリアにおいては、バン・シャーシープール(シャーシーとは、コンテナを載せるトラックの台車。バンプールとは、コンテナの一時置きスペース。)車両待機場や、高度なロジスティック機能を備えた物流拠点の形成が求められる中、既存の老朽化した施設では、現在の物流ニーズに対応できなくなっております。
更に内航海運におけるユニット化の進展により、移出入貨物を取り扱うための荷捌き用地なども必要となっております。
こうした課題に対応するため、中防外側コンテナターミナルの整備は、東京港全体の再編の切り札であり、2017年末に稼働したY1ターミナル、2020年3月に稼働したY2ターミナルとともに、Y3ターミナルの一日も早い整備が重要であり、国と調整し実現して参ります。(因みに中防外側コンテナターミナル地域は、2020年東京都大田区令和町と命名されました。)
また品川内貿ふ頭の整備は、貨物のユニット化など内航海運における輸送革新の進展やモーダルシフトの促進等による大型RORO船(貨物を積んだトレーラーが自走で出入りできる船)に対応した、内貿ユニットロードターミナルの整備で、少人数による効率的な荷役が可能となり、時間も短縮されます。地震に強い耐震護岸岸壁の整備とともに、一日も早い改善に取り組んでいかなくてはならないと考えており、国としっかりと調整して参ります。
更に、東京港の貨物増加に伴い、港湾周辺の交通混雑の解消は、喫緊の課題であり、本年6月20日に開通した臨海道路南北線の開道は、その改善に大きく寄与します。一年延期された東京オリンピック・パラリンピック大会にも重要な動線であり、大田区にとっても大変嬉しいことです。
東京港の整備は、この他にも「首都の玄関口」として、国内外から多くの来訪者を呼び込み、大きな経済効果を取り込むとともに、臨海副都心のMICE・国際観光拠点化を推進するため、クルーズ客船の積極的な誘致施設も求められております。
臨海部に面し、中小製造業の集積した大田区の議員として、これからも世界に誇れる東京港に向けて、全力で取り組んで参ります。